過ぎ去っていくものばかり
主観的な立場に立って物事を見た時、過ぎ去っていくものばかりでとどまるものなど無いのではないかと思う。
ものや建築、特に重くて動か無さそうなものはそこにとどまっているじゃないか、と思うが、主観的な「私」とそれをとりまく世界ということで見てみると、すべての物事は「私」にとっては流動的な感情を換気させる演出に過ぎず、それらはとめどなく流れていく。感情も一緒にどこかにながれていく。
時間が経ち、再び同じ対象に対して同じ感情を抱いた時に過ぎ去っていったと思っていたものが実はそう遠くには行っていなかったのかもしれないと思う。
とはいいつつも、最近思うことは、果たして自分に主体的な感情はあるのかということだ。
映画を見たり人の話を聞いたり本を読んで感情移入をすることは出来る。立派に涙も流してしまう。
しかし、「私」の世界の住人であるはずの感情が高ぶることを感じた覚えがない。
いつも自分が他人のように感じられているのだ。
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